
食事や運動より心を変えれば自然と痩せられる!
本人は気づいていなくても、ダイエットに対する勘違いや思い込みが激しければ、逆効果になることもあり、そこには、食事や運動以外のメンタルなどの問題もあるようです。
『食欲は我慢できないから痩せられない』ではなく、心理的な要因にうまく対処することができれば、『ダイエットは、そう難しいことではない』と思えるかもしれません。
食欲とうまく付き合うためにも、ダイエットを邪魔する心理とは何かを考え、太る原因につて紹介しています。
ダイエットの参考に一読いただければ幸いです。
目次
マインドフルネスとは?
マインドフルネスは、心を整え、生き生きとした心を取り戻せる!
マインドフルネスとは、瞑想することで心を整え、不安やストレスを軽減し、心身ともに調和のとれた状態へと導いてくれる心療法のひとつで、そのルーツは「禅」にあります。
瞑想をすることで、世間や自分の評価や判断とは無縁にして、今この瞬間に注意を向け、無心となり「心をコントロール」することができます。この「心のコントロール」がマインドフルネスの基本的な考えです。
マインドフルネスは、「自分をコントロールすることができる」「的確な判断ができる」などの点から、ビジネス界やスポーツ界でも広くとり入れられています。さまざまな流派もあるようですが、過食症や拒食症といった摂食障害の治療にも取り入れられています。
マインドフルネスの方法
マインドフルネスは、具体的には瞑想と呼吸で行います。しかし、一般的にいわれる瞑想とは異なります。
瞑想をするモードで行うのではなく、自らの存在を意識するモードで行うのが特徴で、今という瞬間に存在するだけの状態になるものです。
ですから、過去や未来にある自らの意識の方向を、今この瞬間の自分の状態に変えることが重要であるとされています。具体的には、「今、ここ」にある呼吸に意識を向けて行います。
この、呼吸の実践方法を下記に3つ紹介します。
実践1.呼吸瞑想
「自分は太っている」「誰よりも痩せたい」など、見た目を気にすることで、不安になり過食に陥るケースがあります。
このような不安からくる、食べたいという衝動を抑えるには、「呼吸瞑想」をおすすめします。
呼吸瞑想のやり方
- 両足を少し開いて椅子に座る。
- 頭のてっぺんから1本の糸でまっすぐ上に引っ張られるようなイメージで背筋を伸ばす。
- 両手は手のひらを上に向けて膝の上に置くか、へその下あたりで組む。
- 3の姿勢を保ったまま3回ほど大きく鼻で呼吸する。
- 鼻を通って出入りする空気の動きに注意を向けつつ自然に呼吸する。
- 気管を通って肺に入る空気や、膨らんではしぼむお腹の動きに意識を集中させる。
出来れば、10分以上行うのが理想ですが、時間がない時は、10秒でもいいので、まず、この瞑想を行うことが大事です。
実践2.歩く瞑想
食べることでストレスを発散してしまう人は、満腹を感じられないとイライラしてしまい余計に過食に走りがちです。
このようなストレス発散型の抑えられない食欲は「歩く瞑想」をおすすめします。
歩く瞑想のやり方
- 背筋を伸ばして真っすぐに立ち、3~4m先の地面を見る。これで半分目を閉じたような状態(半眼)になる。自分の足を凝視しないことで、足の知覚を研ぎ澄ますことがでる。
- 半眼のままでゆっくりと歩きだす。心の中で「かかとが上がる」「つま先が上がる」「移動する」「足がつく」と、足の動きに合わせて唱える。足の裏に生じる感覚にも意識を集中する。
- 足の動きを常に意識しながら、半眼のままで歩き続ける。公園の芝生など、心地よいと感じられる場所で行えばさらに深い瞑想が得られる。室内などの安全な場所なら目を閉じてもOK。
実践3.食べる瞑想
お腹はいっぱいなのに、まだ食べたい欲求がおさまらない人は、お腹は満たされても脳が満たされていない状態です。
このような人は、五感を使って食べる「食べる瞑想を」をおすすめします。
食べる瞑想のやり方
- 食べ物を口入れる前に、食べようとしているものの形状や色、香りなどの状態をじっくり観察する。さらに、それを食べたらどんな味かと想像してみる。
- ゆっくりと食べ物を唇に触れさせてから口の中へ。
- 舌の上で転がしながら、口の中の全ての場所で形状や味を感じ取る。
- その後、ゆっくり噛みしめて、しみ出してくる味を十分に感じる。
- 何度も何度も噛んでから飲み下す。
- 喉を通って、胃に落ちていく経過にも意識を集中する。
折れる心はマインドフルネスで修復
呼吸は不安やストレス軽減のカギを握る!
瞑想はなぜ、呼吸に注目することから始めるのか?
それは呼吸が内臓機能のなかで唯一、意図的に調節することができる生理機能だからです。つまり、体と対話するための入り口が呼吸なのです。
しかし、実際に呼吸をありのままに感じようとすると、逆に、うまく呼吸ができないと感じる人も少なくありません。意図的に操作できる自分の体を、あえてありのままに動かせて、それを観察する。
結果的に、今の自分を受け入れ、現状にあらがうことなく生きることができるようになり、心が乱れることが少なくなります。また、息を吐くことは「休む神経」である副交感神経を働かせ、吸うことは「闘う神経」である交感神経を働かせます。
心が乱れているときには、呼吸が浅くなり、交感神経が優位になり過ぎてしまっていることが多い。それを深い呼吸をして大きく息を吐きだすことで、副交感神経を優位にさせることができます。
心の乱れを感じたときは、まずは深い呼吸をしてみましょう。
不安と食欲の関係
感受性が豊かな人は他人からの言葉を誇張して受け取ってしまいがちです。そのため、人一倍、不安感も強く、それを和らげるために食行動に走ってしまいがちです。
例えば、「太っていると思われているかも」という不安感や恐怖感が条件反射のように「食べる」という行為とつながってしまう場合があります。
そこで「条件反射制御法」と呼ばれるアルコールや薬物依存にも使われる心理療法が役立ちます。
まず、普段の心が落ち着いた状態のときに、胸に手を当て「私は今、過食をしなくても大丈夫」と小さな声でつぶやきます。
これを日々何度も繰り返し練習しておきます。
そして、いざ不安で過食してしまいそうになったとき、心が穏やかになれる場所に移動し、胸に手を当て「私は今、過食しなくても大丈夫」とつぶやくのです。
普段から練習していた、この動作と言葉が「落ち着いた心」とリンクしているので、この条件反射の力で、いざという時にも心が穏やかになり、「不安=食べる」という負のつながりを断ち切ることができるのです。
イライラ過食は深呼吸で防ぐ
イライラを感じたとき、呼吸の状態を確かめみてください。息を止めてしまっていたり、浅く早い呼吸になっていたりしませんか?
そのことに気づいたら、ゆっくり深呼吸を3回繰り返してください。
怒りの感情とうまく付き合うための「アンガーマネジメント」という理論では、怒りのピークは6秒と言われています。
深呼吸によって心は落ち着きを取り戻すことができるだけでなく、イライラによる過食も防げるはずです。
『もっと痩せたい』に注意!
日本における曹洞宗の開祖、道元禅師の言葉に「心身一如」があります。心と体は本来一つであるというこの禅語に込められた真のメッセージは「心と体がともに健やかであってこそ、真の幸せがもたらされる」ということに他なりません。
無理なダイエットをして、目標体重を達成できたとしても、そのとき、心は「食べたい」という渇望や、「もっと痩せたい」という新たな欲望に支配されていませんか?
そのような心の状態が摂食障害を引き起こすのです。
その時こそ実践してほしいのが、「呼吸瞑想」です。呼吸瞑想を続けると、あるとき、自分の呼吸をありのままに受け入れる心が芽生えます。そして、その思いはやがて自らの存在を受容する心へと成長して行きます。
これこそが「心身一如」の体現であり、そのときあなたは、自然に健康的な心身を得るための食事を、自ら実践できるようになっていることでしょう。
マインドフルネスを実践するメリット
マインドフルネスを実践すると、次のような効果が得られるといわれています。
- ストレスを受ける場面でも、否定的な感情に飲み込まれず、自分を取り戻し、スムーズに対処ができるようになる。
- 成果を出すべきビジネス・スポーツなどのシーンでも、思考や過去にとらわれず、今ここに注意を向けることで成果を出せるパフォーマンスを発揮できる。
- 自己コントロールが容易にできるようになる。
- 心の安らぎ、集中力、創造性などの副産物も得られる。
マインドフルネスは、もともと医学・心理学の分野における治療法でしたが、近年ではビジネスやスポーツなどの一般社会にも役立てられる有益なものであると理解が進んでいます。
マインドフルネスにおけるダイエット効果
調和のとれた状態へ導くマインドフルネスの瞑想法による効能は様々な医学研究で解明されているようです。その効能の中で、「内受容感覚の向上」という注目すべき事象があります。
内受容感覚とは、「体の内部で起きていることに対する感覚の鋭敏さ」のことです。
これを胃に当てはめると、胃の中に食べ物が入ったという感覚に気づけるかということになります。つまり、マインドフルネスによって内受容感覚が磨かれた人は、食べたことによる満足感を胃の中が満たされているという感覚として受容しやすく、過食に陥るリスクを低減させられるようになるのです。
最近では、短時間の瞑想によって、肥満者の過食行動が抑制されたという研究結果も発表されているようです。
マインドフルネスでダイエット!『太る原因は心にあり』まとめ
マインドフルネスで瞑想を行う目的は、心の安定であり苦からの解放です。
自分を苦しめている原因は、普段の思考、感情、判断、評価などを「する」モードであること。そして、注意の向かい先が過去や未来になっていること、思考と事実、思考と自分を混同していることにあるといわれます。
分かりやすく言うと、欲望が苦しみの根源なのでしょう。であれば、マインドフルネスの瞑想はダイエットのみならず、様々な場面で使えます。
とにかく、過食を繰り返し、そのたびに落ち込んでしまう人は、一度、試してみる価値は十分にあると思います。
一読いただきありがとうございました。
記事参考:㈱枻出版社・発行・発売/食べても太らない簡単すご技
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